One day at a time

毎日を、着実に

2022/05/14 50'jog

非常に由々しき事態だ。コロナウィルスに罹患し、解熱後1週間が経った。解熱後40'jogを4回ほどこなし、今日罹患後初めて50'jogを実施した。上記は今日のペースで4:41/km平均では走り切ったわけだが、心拍数が高止まっている。今日の平均心拍数は156bpm(途中、友人にたまたま遭遇し、立ち話をしたので心拍数が回復している区間あり)。

気温は20.6℃、雨上がりのため湿度が高かったのも影響したのかもしれないが、これまでの僕の走力からするとかなり高い。

こちらが4月頭に気温20.0℃で50'jogを4:42/kmで実施した時のもの。長野マラソン前で仕上がっていた&湿度が今日ほど高くなかったとはいえ、平均心拍数に13bpmもの乖離がある。前回の記事でも書いたとおり、コロナウィルスの影響で心肺系へのダメージがあることがこの数字からも容易に読み取れる。

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50'jogの後に180mの上り坂を使ってヒルスプリントも実施したが、こちらも坂を上り切る前に心拍数が178bpmまで上がりきってしまった。コロナ罹患前に実施した時は172bpmだったので、こちらもかなり高い数値だ。心肺系の強化ではなく、ランニングエコノミーの向上を狙いとしているが、一つの参考にはなるだろう。大事を取って7本で切り上げた。

コロナ罹患とランニングに関するエビデンスがあまりネットに出回っていないので、まだなんとも言えないのが現状だが、回復の経過については注意深く見ていきたい。前回の記事で紹介した情報からも罹患後の運動再開は慎重にという意見が共通の見解だったので、焦りすぎずじっくりやっていきたい。完全回復の道はまだまだ長そうだ。

コロナウィルス罹患後、いつから走っていいの?

前回の投稿でコロナウィルスに罹患したことを書いたが、隔離制限が解除され、晴れて外出ができるようになった。

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症状の方も軽い咳込みとのどの痛みを残すのみで、日常生活をする分には何ら問題はない。次の目標としてはいつ、どの程度の時間と強度で走っていいのか、というものである。まず、日本語で検索して真っ先に出てきたのが、以下の日本臨床スポーツ医学会の指針だ。

https://www.rinspo.jp/files/topics210623.pdf

僕は熱が40℃近くまで出て、喉もかなり腫れたが、この指針に照らすと入院が適用されなかったので軽症に分類されるのであろう。指針によると、確定診断後0~2週目は運動制限あり、2~4週目から運動の段階的解除、4週目~運動制限なし、というものである。また、留意点として、”診断確定後2週間は、軽症または無症状であっても運動休止が望ましい”とのこと。そんなに休まないといけないの?“望ましい”という表現から、望ましくないけど走ってもいいという解釈はできるものの、心配症の僕としてはもう少し勇気を与えてくれそうな記事に出会いたい。ということで、その他のソースにも当たってみたが、好ましいものは見当たらなかった。COVID-19は日本よりも国外の方が感染にかかるエビデンスが多い(COVIDに関わらずだけど)ので、海外記事による検索も試みた。まずは、我らがRunners worldの記事。

www.runnersworld.com

以下抜粋

Toresdahl and Myers also agree that runners who have had COVID should return to running more conservatively than after other reasons for an extended break. An infographic published in the British Journal of Sports Medicine recommends not resuming any form of training until you’ve been symptom-free for seven days, even if your symptoms were mild or moderate. According to the infographic, start with no more than 15 minutes of light jogging, and take at least a week to gradually increase duration and intensity. Even if you remain symptom- and injury-free, wait at least two and a half weeks from when your symptoms started to resume full training, the infographic advises.

ランニング復帰は保守的に。コロナに関する症状がなくなってから7日間はトレーニングを再開するな。15分jogから始め、少なくとも1週間かけて徐々に時間と強度を増やしていけ。少なくともコロナに関する症状が出てから2.5週間はフルでトレーニングするな。

冒頭で述べた通り、軽い咳とのどの痛みが現時点で残っており、この状態になるまで発症から10日ほど。そう考えると、今後1週間はトレーニングを再開するな、ということで日本臨床スポーツ医学会の指針より若干厳しめのアドバイスだ。また、15分jogからトレーニングを再開するとのことで、極めて保守的。

www.runnersworld.com

以下抜粋

If you’ve been diagnosed with COVID-19, how long should your break from exercise be?

Right now guidelines are all over the place, which speaks to the fact that no one really knows the right answer. That being said, a person should definitely wait until complete recovery from their symptoms. Keep in mind, however, that this illness sometimes affects people in multiple phases—you start to feel fine, and then a second phase of symptoms comes on, Clark says. That’s why, to play it safe, you should wait 10 to 14 days after total resolution of symptoms before resuming any normal activity. And, as you start to run or work out again, it should be a slow resumption, says Milton.

正しい答えは誰も知らない。まずはコロナ症状が完全になくなるのを待て。症状がなくなってから10~14日は待て。そしてゆっくりトレーニングを再開しろ。

こちらの記事は些かfuzzyな記載だが、これまでの記事に共通して言えることは、コロナの症状がなくなってから1週間程度はトレーニングを再開するなということか。

続いて、トレラン系マガジンの記事。

www.trailrunnermag.com

以下抜粋

If you experienced no symptoms or mild symptoms, the updated ACC recommendations state that you are okay to navigate returning to running on your own. “One of our takeaway points is that you want to take your time getting back up to regular training levels, but you’re probably okay to do that on your own and you don’t need to go see a cardiologist and worry about getting all these tests,” says Dr. Kim.

コロナの症状がないか軽い場合、自分の判断でトレーニングに戻っていい。通常トレーニングに戻るのは時間をかけて。

The guidelines for recreational athletes vary slightly based on the types of symptoms the individual may have had (pulmonary, cardiac, musculoskeletal, etc.), but in general, they recommend returning to running after COVID-19 using the 50/30/20/10 rule. In your first week back, reduce your normal training load by 50 percent. If that is comfortable and you’re not experiencing new symptoms, the next week reduce by only 30 percent, followed by 20 percent, and 10 percent in the fourth week. By the fifth week, you can resume your regular training.

推奨されるトレーニング復帰のルールとして、復帰1週目は通常から50%負荷を下げる、2週目は30%、3週目は20%、4週目は10%、5週目からいつも通りの負荷でトレーニングを実施せよ。

この記事はこれまでのに比べて中期的視点で記載されている。トレーニング復帰後1ヶ月はコロナ罹患前の負荷のトレーニングをしてはいけないということだ。

上記を勘案すると、コロナの症状がなくなってから7~10日程度はトレーニングを再開せず、安静にしていること。トレーニング再開後は、15分jog~通常から50%負荷を下げる、と幅はあるものの、体調を見ながら保守的に徐々にトレーニング強度を増加させていく必要がある、ということか。情報をまとめてみたものの、これからまた1週間も安静にしていることは正直考えられない。コロナ罹患の10日間で脚の筋肉は張りを失い、いかにも速く長く走れなさそうだ。ということで、これまでの情報を完全に無視して40分ほど河川敷をjogしてきた。感想としては感覚良く走れないのは当然として、走りながらも時折咳が出ること、平均心拍数がコロナ罹患前よりも5bpmほど高かった。胸痛や息苦しさ、立ち眩み等の症状はなかったので、この程度のjogは繋ぎとして続けられそうに感じた。ここまであーだこーだネット記事のことを書いてきて、最後にそれらの情報を完全に無視をしており、何のためにこの記事を書いたのだと、自分自身でも呆れているのだが、少なくとも向こう1週間は安静を求められていること、向こう1ヶ月間は段階的にコロナ罹患前のトレーニング負荷に戻していく必要があることは念頭に置いて行動していこうと思う。今週は軽いjogをする予定だが、症状の悪化ないし新たな症状が生じた場合は、トレーニングを中止することは言うまでもない。コロナウィルス、ほんと厄介者だ。

コロナウィルスに罹患しました。

いずれどこかのタイミングで罹患するのであろうとは思っていたコロナウィルスにこのたび感染した。走ることと出社(在宅勤務が70%以上)以外あまり外出をしないので、あそこで感染したんだろうな、という当たりは大体ついているのだが、手洗いやマスク着用等、必要最低限の感染症対策をしている人間にとっては、ウィルスに感染するか否かはもはや確率論的な話だと理解しているので、感染してしまったことは仕方ないことだと思っている。感染しないことも大事だが、感染してしまった僕としてこれから最も重要であることは、1日も早く健康的な元の生活に戻ることである。

簡単に振り返ってみると、僕は昨年7月と8月にモデルナ製のワクチンを摂取し、3度目は未摂取の状態だった。3度目については打たないつもりでいた。理由は1.直近で流行っているオミクロン株の重症化リスクが低いこと、2.過去2度の接種の副反応が強かったこと、からだ。看護師として働いている人の意見から3度目を摂取したとしても重症化リスクは下がるが、感染自体のリスクは下がらないことを聞いていたし、40℃を超える副反応はもう懲り懲りだったので、あえて重症化しないと聞くオミクロン株に感染してしまって抗体をつけてしまってもいいのではないかと判断した。インフルエンザのワクチンだって毎年打っていないし、感染しても苦しみながらもよろしくやってきていたし。また、4月中旬に長野マラソンを控えていたし、タイミング的に副反応で練習を休んでいられなかったこともあった。だが、その認識が今振り返ってみると間違っていたと思う。

なぜかというと、感染した感想が率直に"辛い"の一言に尽きるからだ。今回感染した株が何だったのかは結局今も分からず仕舞いなのだが、オミクロン株だと仮定して書くと、僕にとっては"重症"以外の何物でもなかった。国が定める"重症"の定義は以下の通り、集中治療室or人工呼吸器が必要な状態とのこと。※上記では集中治療室と人工呼吸器の間が"・"となっているが、他のページでは"・"の解釈は"and"ではなく"or"だった。分かりづらい。

少なからず、僕は集中治療室や人工呼吸器を必要としなかったので、国が定める"重症"患者ではなかったわけだが、僕の基準では間違いなく"重症"だった。僕が罹患前に自分の中で認識していた"重症"というワードはもちろん上記の集中治療室や人工呼吸器を要する状態だったのだが、そこまでのrealityを持って、このワードを自分に落とし込めていたかというとそうではなかった。つまり、"重症"化しないということは生死に関係はないが、症状自体もそんなに重くないんでしょ、インフルエンザ程度でしょ、と想像していたが、それが間違いだったということだ。僕が罹患したウィルスから生じた症状は間違いなく僕がこれまで経験したインフルエンザウィルスの症状よりも強いものだった。

自慢ではないが、僕はこれまでインフルエンザウイルスに感染したのは数知れずだ。僕は病弱なのだ。大抵のインフルエンザは僕の感覚として、40℃出る普通の風邪より38℃台のインフルエンザの方が辛い。どう辛いかというと頭痛の度合い、悪寒、喉の痛み等だ。40℃を超える普通の風邪はどちらかというと気持ちがハイになり、あまり辛くなく、ただ体が熱いだけだ。僕の場合あまり悪寒を感じない。それが今回のコロナウィルスは、これまで経験したインフルエンザの症状をさらに一回り強化したような印象だった。

今回の僕のコロナライフは喉の痛みから始まった。喉の痛みは人生史上最強だった。具体的に言うと水を飲むと喉に染みるレベルで、水分摂取も命がけで油断がならなかった。温かいものは飲めたものではなく、基本は冷水だ。症状が出てから6日はそんな状態が続いた。発熱の方も初日は予想を上回り39.7℃まで出て、その後3日間は39℃前後で推移した。頭痛を伴い、真っすぐ歩けないほどのふらつきようだった。5日目にようやく37℃台まで下がり、6日目にようやく平熱まで下がった。約1週間であったがとにかく長い戦いだった。コロナウィルスにはインフルエンザで言うところのタミフルのような薬がなく、とにかく人体の自然治癒力のみでウィルスの攻撃に抗うしか方法がないのも辛かった。ひたすら鎮痛剤で熱を下げ、熱が下がったところで少し寝て、熱が元の高熱に戻るというのを幾度と繰り返した。正直、また罹患するのはまっぴらごめんだ。

ちなみに高熱と喉の痛みでどうしようもない時に最も優れた食べ物は何か、僕は今回のコロナウィルスから教えてもらった。

それは"アイスの実"である。

ひとくち口に頬張れば、口腔内の温度で自然と溶けていき、喉を刺激することなく胃に収まる。辛く長い闘病生活に差し込んだ一筋の光、それが"アイスの実"である。こんな優れた食べ物があったとは。今後似たような症状が出た時は間違いなく近所のスーパーに駆け込みアイスの実を大人買いするに違いないだろう。ちなみにぶどう味が僕は好みです。

そんなわけで、長野マラソン明けから順調に疲労回復に努め、これから本格的に練習を再開しようとしていた矢先にコロナウィルスに感染してしまった。1週間ロクに歩きもしなかった脚は張りを失い、走り出したらいかにもすぐ疲れてしまいそうだ。この1週間を休養と捉え、またイチから作り直していくしかない。

さようなら、僕のゴールデンウィーク。

怪我の少ないランニングフォームを目指す腸腰筋のストレッチ【為末大学】

仕事柄デスクワークが多く、座っている時間がどうしても長くなる傾向にある。とりわけCOVID-19が流行してからは在宅勤務の機会も増え、職場よりも座った姿勢を取る時間が長くなったように感じる。そのためか股関節周りの筋肉の張りをこれまでよりも感じるようになった(加齢による影響もあるのかもしれないが)。股関節周りの筋肉群は走ることにおいてとても重要な役割を果たしているので、それらの柔軟性を保つことも同様に重要と認識している。日頃のメンテナンスとして入浴と入浴後のストレッチは毎日するようにしているのだが、どうしても股関節周りの筋肉の張り、緊張を自力で抜くことは難しく、大体月に1回ぐらいのペースで治療院に行き、腸腰筋、中臀筋、大腿筋膜張筋といった筋肉を中心にマッサージや鍼で解してもらうことを日課としている。とはいえ、治療院でかかるコストも馬鹿にならないので、自力でできるストレッチは継続して行いたいと思っている。自力でできるストレッチで筋肉の張りが完全になくならないことはストレッチを止める理由にはならないからだ。

そんなわけで、ネットでいろいろ股関節周りのストレッチについて検索していると、尊敬してやまない為末大氏が運営するYoutubeチャンネル「為末大学」でまさに紹介している動画を発見した。為末大学は好きなチャンネルの一つでよく視聴している。彼は巷に溢れる曖昧な表現を言語化することに非常に長けていて、このチャンネルでは主に走動作について分かりやすく解説してくれている。というわけで、僕も走る前には股関節周りの筋肉をストレッチしてから走るようにしているが、明らかに可動域が広がることを感じるのでランナーの皆さんはmust watchであると思うわけであります。

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長野マラソン2022 レースへ向けた調整編その1_テーパリング

前回までの記事で長野マラソンレース前日からゴールについて書いてきた。

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今回はレース2週間前からレースを迎えるまでの練習メニューについて振り返りたい。スタートラインに並ぶまでに1番苦労したのはこの調整期だと言っても過言ではない。以前の記事でも書いたが、フルマラソンはレースに向けた準備期間が長いため、レースにおいて自分の力を遺憾なく発揮したいという想いがどうしても強くなるのは僕だけでなく、多くのランナーも同様だと思う。鍛錬期に十分なトレーニングが積めていたとしても、レース数週間前の調整期に調子を崩し、これまでの努力を水泡に帰してしまうことは往々にしてある。それ故、調整期にはとても神経を使うはずだ。フルマラソンの経験が多く、調整期のルーティンのようなものが既に確立されているベテランであれば、ある程度は余裕を持ってこの期間を過ごせるものと想像するが、僕のように経験が浅いランナーにとっては悩ましい時期だ。そういった悩ましい時期を手探りに過ごしてきたこともあり、次回に向けてもここに記録を記したい。

レース2週間〜1週間前

ポイント練習とそれ以外の練習を分けて書いていきたい。まず、ポイント練習については以下の2つのメニューに取り組んだ。

レース15日前:

6.4km jog+1.6km LT走+3.2km マラソンペース走(以下M走)+1.6km jog+1.6km LT走+3.2km M走+1.6km jog

レース12日前:6km LT走

週間走行距離:63.0km

今回はレース3週間前を最後の追い込み練習とし、そこからはVolumeもIntensityもともに落とすこととした。具体的にはレース2週間前が上述した通り63.0km、1週間前が39.2kmだった。最も走った週が105kmだったので、それぞれmaximumに対して60.0%と37.3%とかなり走行距離を落とした。

レース3週間前最後の追い込んだ練習↓

 

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疲労抜きを始めるタイミングにも様々な考え方があるようだが、結果的にレース3週間前に追い込んだ練習を終え、疲労を抜いていくスケジューリングは自分にはある程度効果のあった調整方法だったように思う。実業団で活躍するようなアスリートはそこまで練習量を減らすということはしないようだが、一市民ランナーの僕にはtoo muchのように感じる。

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出走するレースを強化の一環と捉えるのであれば、直前に強度が強めのポイントを入れてもいいとは思うが、純粋に2週間後のレースを狙おうと思うのであれば、そこは慎重に考えた方がいいと個人的に思う。

一方、レース1週間前ぐらいに行ったjogでかなり疲労が抜けてきている実感もあり、仕上がりが早すぎたのでは?という感覚も少なからずあった。この時期に70〜80km/週ぐらい走っても、疲労が抜けきらないということはなかったように思う。ただ、この週に通常の週とほぼ同程度の距離を走ることがレースにプラスと働くか否か。自分にあった調整方法を見つけるのは至難の業だと思うので、いろいろ試していこうと思う。

レース12日前の練習についてはクルーズインターバル+jogを取り入れたかったが、時間との兼ね合いで断念。時短で実施できるLT系メニューとして6km tempo走を実施した。レース1ヶ月前辺りからレース当日に履くシューズの選定を始め、実際にはAsics Metaspeed skyをレースで使用した。そのため、ポイント練習ではMetaspeed skyを履くようにし、シューズに脚を慣らすよう努めた。

ポイント練習以外についてはEペースでの50'〜60’jogと軽い流しを行った。

レース1週間〜前日

レース7日前:10km M走

レース4日前:150m×5

週間走行距離:39.2km

レース1週間前にはレースと同じ時刻に同じ服装、同じペースで10kmを走った。

 

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18℃と多少気温が高く、想定よりも心拍数が高くなってしまったが、レースに備えるという意味では良い予行練習になった。長野マラソンはスタート時刻が8:20と早いため、この日の朝食はこちらも補給の予行ということでモルテンドリンクを摂取した。モルテンについても久しく摂取をしていなかったので、飲用することで胃腸の状態がどのようになるのかレース前に知っておきたかったためだ。良くやりがちなレース当日に今まで口にしたことのないジェル等を取ることは可能な限り避けた方が良いと思う。レース中に腹痛を起こしでもしたら調整期の失敗と同じく、これまでの努力が全て水の泡だ。また、レース当日は暑さが予想されていたので、足攣り対策としてメダリストの塩ジェルの補給練習も行った。

レース4日前には普段より長め(150m)の流しを5本、普段のjogの後に実施した。レース数日前に普段よりも短めに速い動きを取り入れることを世間では刺激走と呼んだりするが、その刺激走の意味合いの流しだ。刺激走はテーパリングで運動量が減っている中で、体力の低下を起こさないために体に疲労を残さない程度に行うものと理解している。そのため、ダニエルズの本では普段の練習より距離を減らした閾値走を取り入れるように書いてあった。僕としてもどこまで刺激走をすべきか非常に迷った。学生時代なんかはレースペースで1000m×3本(ただし5000m向けの調整だが)をやっていたりしたが、今回については敢えて流しにとどめておいた。調整は順調に来ていたし、疲労も抜けてきていたので、刺激走をすることで変に疲労を残し、レース当日うまく走れないことを恐れたからだ。僕はどうしても練習を頑張りすぎてしまうので、一貫して「頑張りすぎない」というテーマをこの調整期に掲げていた。そのテーマに倣った形だったわけだが、こういった判断に迷った場合に、株式会社における経営理念のような拠り所となるものがあるのは非常に有用だと感じた。

次回は長野マラソン2022 レースへ向けた調整編その2 食事編

長野マラソン2022 レースに向けた練習まとめ

前回までの記事でレース前日からゴールまでのことを書いた。

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今回のレースは久々のフルマラソンということもあり思い入れが強く、スタートをするまでに興奮、不安、恐れといった様々な感情が渦巻き、スタートを切るまで一筋縄にいかなかった。それ故、ゴールした時の喜びもひとしおだった。それもこれもレースに向けたトレーニングが身を結んだからだということは言うまでもない。今回からはレースに向けて取り組んできた練習について、フルマラソンのための練習を本格的に始めた2022年1月から順を追って振り返っていきたいと思う。

2022年1月

長野マラソンに向けてフルマラソンに特化した練習を本格的に始めたのは2022年に入ってからだった。2021年上半期は海外で生活をしていたこともあり、ほとんど走っていなかったので、2021年内は10kmを上限としたトレーニングをメインに取り組み、5000mは16'59(12月OTT)、10km(ロード)は36'25(10月月例赤羽)まで走力を取り戻すことができていた。しかし、トレーニング中に右ハムストリングを痛め、スピードを上げた練習が積めない状態で2022年を迎えていた。

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そのような状況だったので、まずはフルマラソンを走り切る脚力や心筋の強化といった土台作りをした上で、LTの向上をメインとしたテンポ走といった実践的な練習にシフトをしていき、レース本番を迎えるという大まかなスケジュールを立てた。2022年初は1月中に右ハムストリングの傷が癒え、2月からテンポ走に取り組めるであろうという想定だった。1月の主な練習は下記を取り組んだ(easy jogは除く)。

前半

16km build-up走(4’40-3’56)、120'jog(4’44)、ハイテクハーフ(3’54)、20km芝jog(4'41)

後半

120’jog(4’46)、24km jog(4’42)、22km jog(4’38)、100'芝jog(5’00)、165’jog(5’05)

月間走行距離 374.9km

右ハムストリングの調子は少しずつ良くなってきてはいたが、完全に回復したわけではなく、3’30/kmの流しをするだけでも攣りそうになる有様だった。また、4’00/kmぐらいのペースであっても、練習後には右ハムストリングの違和感、張りが大きく、故障箇所の悪化の不安感からなかなかペースを上げた練習ができずにもどかしい思いを多くした。実際、1月前半にbuild-up走とハイテクハーフに出走したが、そこで受けたダメージを1月いっぱい引きずった形となり、その後はEペースでのjogしかできなかった。しかし、ゆっくりしか走れないことをポジティブに捉えて、jogで距離を踏んで脚作りをしようと発想の転換ができたことが、フルマラソンを走り切る上で必要な脚筋力や心筋の強化に繋がったのではないかと考えている。ある時は土日2日間で50kmほど走り込むこともあり、これまでの短いロードやトラックに特化した練習からフルマラソンへマインドを切り替えることにも役立ったと思う。

また、見逃してはならないことは練習環境のsurfaceの変化である。どうしても硬いアルファルトの上を走りがちだが、積極的に芝生の上を走ることを取り入れた。芝の上を走ると分かるが、コンクリートに比べて接地時が不安定であり、脚の細い筋肉を使っていることが分かる。また、地面を蹴るというよりかは押す感覚、地面を捉える感覚も身に付き、少ない力で効率的に体を前に運べるようになっていったと思う。上述のメニューには2回ほどしか芝での練習が登場していないが、日頃のjogでも積極的に芝を利用していたので、コンクリートとの比率が半々とまでは行かないまでもそれに近い割合で芝を走っていたと思う。

2022年2月

2月からは本格的にペースを上げ、LT走やフルマラソンを意識したLT走(長めのペース走)に取り組み始めた。ただ、右ハムストリングの調子は芳しく無く、2月頭には荒療治としてランナーから評判高い東京都北区十条にある内田治療院の門を叩いた。

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日頃のケアのための治療院というよりかは故障した時に利用する印象を受けたが、施術を受けてから右ハムストリングの調子が少しずつ良くなっていき、スピードを上げた練習をしても翌日に張りや違和感を感じることが減っていった。2月の主な練習は下記を取り組んだ。

前半

15km 芝build-up走(4'20-3'53)、120’芝jog(4’57)、12kmファルトレク(間4km×2 4'00)、30km jog(4’25)

後半

20km走(3’59)、12km build-up(4'06-3'43)、30km jog(4’19)

月間走行距離 323.6km

少しずつ4'00/kmといったフルマラソンのレースペースで走る練習を増やすことができ、LTの向上を図れた。また、30km走も余裕を持ったペースで中1週で2度行った。普段のjogから少しずつ走る時間を延ばしていった効果を30km走では実感でき、25kmを過ぎても脚が売り切れることはなかった。普段から意識していたのは距離を目安にjogをするのではなく、時間を目安に走ること。個人差があるとは思うが、僕の場合、距離を目安に走るよりも時間を目安に走った方が走行距離を稼げる。フルマラソンは走った距離がフルマラソンよりも短い距離の種目に比べて重要であると個人的には思っているので、日頃のjogの積み重ねが重要だと感じたのと、あとは1月に地道に距離を踏んできたのが非常に効果が高かった。次回のレースに向けて、この鍛錬期のjogの積み上げを意識していきたい。

2022年3月

3月は2月よりもより実践的なメニューを増やした。特に昨年から愛読しているダニエルズランニングフォーミュラのフルマラソン向けのトレーニングメニューが非常に興味深く、本格的に取り組むのは初めてであったが、練習メニューの多くに取り入れてみることにした。

前半
3.2km LT走×2(3’45、3’43、r=2’00)+1.6km LT走×1(3’42)、
3.2km jog+3.2km LT走(3’43)+40’jog+1.6km LT走×2(3’42、3’38、r=2'00)+3.2km jog、
20km走(4’00)
後半 9.6km jog+3’00インターバル×5(3’27、3’27、3’30、3’24、3’27、r=2'00)+1'00レペ×4(3'06、3'08、3'04、3'03、r=2’00)+26'jog、
150’jog(4’28)、6kmLT走(3’41)、
1.6km jog+12.8kmレースペース(3’56)+1.6km jog+9.6kmレースペース(3’56)+1.6km jog
月間走行距離 381.2km
ダニエルズランニングフォーミュラのトレーニングメニューは複雑だ(分かりづらくてすみません)。ただ、一貫して言えることは、様々なペースを織り込んだ変化走で長い時間体を動かすことが主であることと、VDOTをベースにした強度を追い過ぎないペース設定であるということだ。
前者については、どのメニューも終えるのに2時間近くかかり、とにかく距離を走らせる印象だった。様々な練習のバリュエーションがある中で僕は週2回ポイント練習をするメニューを参考に練習計画を立てたが、平日に2時間も練習時間を確保することは現実的に難しく、平日は短めのLT走やファルトレク、休日はダニエルズのメニューを参考にメニューを組み立てた。
後者については、どの指導者もそうであるのだろうけど、ダニエル氏は継続したトレーニングに重点を置いており、故障をしないよう工夫がされている。どのメニューも無謀なものはなく、少し頑張れば達成できる程度のレベル感である。決して楽なメニューではないことは申し添えるが、練習の最後に全力を出し切って終えるようなメニューは皆無だ。その事自体を否定するつもりはないが、僕ももう若くもないので、これまで以上に練習を点で捉えるのではなく、線で捉える意識をこの本から学んだ。この考え方は真面目で頑張りすぎてしまう日本人の気質(特にランナーは真面目な人が多いように感じる)に一石を投じるものであるとこの本を読んで感じた。

まとめ

些か散文になってしまったが、振り返るといろいろな練習をしてきたが、重要だったのは何か特定の練習メニューではなく、故障をしていた中でも継続して練習ができたという一言に尽きると思う。月間走行距離が350kmを越えたことは社会人になって走ることを再開してから初めてだったし、少なからずフルマラソンに向けての走力アップに貢献したと思う。一方でもう一段階上のレベルを目指すにあたっては、日頃のjogを大事にすることは前提に、継続的なLT値の向上や180’走(もしくは40km走)の実践が必要だと感じている。次回のレースは今秋を予定している。仕事の繁忙等不確定な要素も多分にあり、パーフェクトに練習メニューを組めないかもしれないが、長野マラソンに向けて実践してきた一連の練習は間違いなく次回のレースに生きてくると思うので、今回の反省を生かしてまた練習に励んでいきたい。当面は6月までトラックやロードにおける3km〜10kmといった短い距離の自己ベスト更新に向けて取り組んでいきたい。

次回は長野マラソン直前練習&テーパリング編を書きたいと思う。

長野マラソン2022 レース後編

前回の長野マラソン2022 レース前編に続き、今回は後編について書きたいと思う。

前回の記事↓

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ハーフ〜25km

五輪大橋の下りでハーフ地点を迎えると新たな集団に追いついた。24km手前の折り返し地点に向け、集団とともに西へ進路を取る。折り返し手前辺りにこのレースで初めて脚への疲労感を感じ始める。「もうここで?」と思ったが、焦っても仕方がないのでやり過ごす。今レースを振り返ると終始走ることに集中できていたのだと思う。42kmも走っているといろいろな雑念が頭の中を駆け巡るのだが、どこかぼんやりした頭の中で自分の走りを俯瞰することができていたのかもしれない。効果を検証することは難しく、解釈にもよってしまうが、カフェイン断ちをした上でのカフェイン摂取による集中力の向上は効果としてあったのではないかと思う。また、睡眠不足で気持ちが吹っ切れた部分があったのも良かったのだと思う。この時点で太陽もだいぶ高くなってきたが、相変わらず日差しの強さは感じるものの、暑さを感じるほどではなかった。むしろ山から吹き下ろす微風が心地良く感じるぐらいだった。

25km通過 1:40:31(この5km 20:07)

25km〜30km

25kmは長野オリンピックでスケートショートトラックやフィギュアスケートが開催されたホワイトリング横。ここでは地域の少年団の子供達の応援が多くとても力になった。給水所ではアミノバイタルのゼリーが配布されていたが、この時点でもまだ何かを食べる気がしなかったし、ランニングパンツのポケットにはまだ多くのジェルを忍ばせていたのでパスした。以前の記事でも書いた通り、今回は補給食を多めに携行したことでレース中の選択肢が増えたことはレースを組み立てる上で非常に助かった。重量も大したことはないので、次回もそのようにしたいと思う。26kmを過ぎて土手を上がると美しい白馬の山々が眼前に広がり、ここでは自然にも疲れを癒してもらえた。更埴橋を渡り、しばらく土手を走って土手から下りると30km。いよいよレースも終盤である。

30km通過 2:00:47(この5km 20:16)

30km〜35km

30km地点で感じた疲労感は初マラソンの大田原マラソンの時と同じかそれよりなかったかもしれない。ただ、残り12.195kmをペースを落とさず走り切れるかは自信がなかった。また、30km過ぎに上信越道と並行する道路に架かる2つの小さな橋から成る起伏、通称「ふたこぶラクダ」のアップダウンが地味に脚に堪えた。ここで僕は惜しげもなくVespa hyperを注入した。価格の高さから(600円!)なかなか手が出ず、今回いきなり実践投入した代物であるが、濃縮された液体が強く気付けの役割を果たしてくれ、ここで一気に目が覚め、気付けば32kmと33kmのラップは3’56と3‘55に上がっていた。

また、地元中学生や大会公式テーマソングを歌うCanadian Clubの応援もあり、このレースで一番感情が高ぶった区間だった。その時は残り10km強をこのペースで走り切れると思ったのだが、振り返るとペースアップが少し早かったようだ。心拍数は166bpmに到達し、ここで疲労を溜め込む結果となってしまったのが、このレースの反省点のひとつである。コース南端の岩野橋手前の給水所で脚攣り対策の塩ジェルを投入。35kmを迎えた。

35km通過 2:20:51(この5km 20:04)

35km〜40km

今度は千曲川対岸を北上し始めたが、前述のペースアップで脚が売り切れてしまった。35-36kmの1kmは4‘10を要し、入りの1kmを除いて初めて4分ふたケタ台に突入。北の方角から吹く向かい風と左膝裏近くの半腱様筋の痙攣が始まり、上体もぶれだした。だがしかし、フルマラソンというものはここからが本番なのである。ここで粘れなければタイムが出ず、最悪最後は歩くまでペースが落ちてしまう。ここに練習を十分積んできたか(練習不足)、もしくは前半飛ばし過ぎていないか(戦略ミス)が明確に表れる。残り5kmを2:30:00ちょうどで通過し、2:50:00切りの目標はほぼ達成不可能であることがぼんやりする頭の中で分かった。38〜39kmが最もラップを落とし4’18を要したが、毎週練習をしてきた自宅近くの土手と千曲川の土手を頭の中でリンクさせ、「ゴールまであと少し」だと自分を奮い立たせ、腕を振ってとにかく脚を動かした。この終盤の土手はとにかくしんどかった。これまでの練習内容からすると、ラップの落ち込みを最小限に食い止めた方だと思うが、終盤まで耐えることのできる脚力、すなわち生成された乳酸を再利用する能力を高めていくことが今後の課題と感じている。土手を降りるといよいよ40km地点。ここの下りで苦しみながらももう一度リズムを作り直すことができた。

40km通過 2:41:58(この5km 21:07)

40km〜ゴール

40km地点からゴールまでの2.195kmは苦しかったことしか覚えていない。とにかくがむしゃらに体を前に進めた。応援が多かった。ゴール地点の長野オリンピックスタジアムが見えた。そういった断片的な情報が頭を掠めただけだった。スタジアムに入ってゴールラインが目に入った。場内アナウンスで名前を呼ばれたような気がした。最後の最後まで力を出し切ることができた。

ゴール 2:51:09(この2.195km 9:11)

4年半前に出した自己ベストを2分強更新した(ネットだと2‘30近く)。1年前は週に2,3回jogをするぐらいだったところからよくここまで走力を戻せたと思う。前回のマラソンの後半を歩いてしまったので、本当に久しぶりにフルマラソンを走り切った感じがした。自分で自分を褒めたい。一方で、2:50:00までグロスで70秒、ネットで44秒足りなかった点はスタート前のマネジメントも含め、まだまだ力不足だなと感じた。陸上競技経験者として2:51:09というタイムは決して自分を納得させられるタイムではないので、レースが終わったばかりではあるが、気持ちはすでに次に向かっている。自分の限界への挑戦。一度は嫌いになって引退した走ることにまた夢中になっている自分がいる。子供の時のように。僕は走ることが好きなのだなとこのレースを終えて改めて実感した。

次回、長野マラソン2022 レースに向けた練習まとめへ続く。