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長野マラソン2022 レースに向けた練習まとめ

前回までの記事でレース前日からゴールまでのことを書いた。

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今回のレースは久々のフルマラソンということもあり思い入れが強く、スタートをするまでに興奮、不安、恐れといった様々な感情が渦巻き、スタートを切るまで一筋縄にいかなかった。それ故、ゴールした時の喜びもひとしおだった。それもこれもレースに向けたトレーニングが身を結んだからだということは言うまでもない。今回からはレースに向けて取り組んできた練習について、フルマラソンのための練習を本格的に始めた2022年1月から順を追って振り返っていきたいと思う。

2022年1月

長野マラソンに向けてフルマラソンに特化した練習を本格的に始めたのは2022年に入ってからだった。2021年上半期は海外で生活をしていたこともあり、ほとんど走っていなかったので、2021年内は10kmを上限としたトレーニングをメインに取り組み、5000mは16'59(12月OTT)、10km(ロード)は36'25(10月月例赤羽)まで走力を取り戻すことができていた。しかし、トレーニング中に右ハムストリングを痛め、スピードを上げた練習が積めない状態で2022年を迎えていた。

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そのような状況だったので、まずはフルマラソンを走り切る脚力や心筋の強化といった土台作りをした上で、LTの向上をメインとしたテンポ走といった実践的な練習にシフトをしていき、レース本番を迎えるという大まかなスケジュールを立てた。2022年初は1月中に右ハムストリングの傷が癒え、2月からテンポ走に取り組めるであろうという想定だった。1月の主な練習は下記を取り組んだ(easy jogは除く)。

前半

16km build-up走(4’40-3’56)、120'jog(4’44)、ハイテクハーフ(3’54)、20km芝jog(4'41)

後半

120’jog(4’46)、24km jog(4’42)、22km jog(4’38)、100'芝jog(5’00)、165’jog(5’05)

月間走行距離 374.9km

右ハムストリングの調子は少しずつ良くなってきてはいたが、完全に回復したわけではなく、3’30/kmの流しをするだけでも攣りそうになる有様だった。また、4’00/kmぐらいのペースであっても、練習後には右ハムストリングの違和感、張りが大きく、故障箇所の悪化の不安感からなかなかペースを上げた練習ができずにもどかしい思いを多くした。実際、1月前半にbuild-up走とハイテクハーフに出走したが、そこで受けたダメージを1月いっぱい引きずった形となり、その後はEペースでのjogしかできなかった。しかし、ゆっくりしか走れないことをポジティブに捉えて、jogで距離を踏んで脚作りをしようと発想の転換ができたことが、フルマラソンを走り切る上で必要な脚筋力や心筋の強化に繋がったのではないかと考えている。ある時は土日2日間で50kmほど走り込むこともあり、これまでの短いロードやトラックに特化した練習からフルマラソンへマインドを切り替えることにも役立ったと思う。

また、見逃してはならないことは練習環境のsurfaceの変化である。どうしても硬いアルファルトの上を走りがちだが、積極的に芝生の上を走ることを取り入れた。芝の上を走ると分かるが、コンクリートに比べて接地時が不安定であり、脚の細い筋肉を使っていることが分かる。また、地面を蹴るというよりかは押す感覚、地面を捉える感覚も身に付き、少ない力で効率的に体を前に運べるようになっていったと思う。上述のメニューには2回ほどしか芝での練習が登場していないが、日頃のjogでも積極的に芝を利用していたので、コンクリートとの比率が半々とまでは行かないまでもそれに近い割合で芝を走っていたと思う。

2022年2月

2月からは本格的にペースを上げ、LT走やフルマラソンを意識したLT走(長めのペース走)に取り組み始めた。ただ、右ハムストリングの調子は芳しく無く、2月頭には荒療治としてランナーから評判高い東京都北区十条にある内田治療院の門を叩いた。

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日頃のケアのための治療院というよりかは故障した時に利用する印象を受けたが、施術を受けてから右ハムストリングの調子が少しずつ良くなっていき、スピードを上げた練習をしても翌日に張りや違和感を感じることが減っていった。2月の主な練習は下記を取り組んだ。

前半

15km 芝build-up走(4'20-3'53)、120’芝jog(4’57)、12kmファルトレク(間4km×2 4'00)、30km jog(4’25)

後半

20km走(3’59)、12km build-up(4'06-3'43)、30km jog(4’19)

月間走行距離 323.6km

少しずつ4'00/kmといったフルマラソンのレースペースで走る練習を増やすことができ、LTの向上を図れた。また、30km走も余裕を持ったペースで中1週で2度行った。普段のjogから少しずつ走る時間を延ばしていった効果を30km走では実感でき、25kmを過ぎても脚が売り切れることはなかった。普段から意識していたのは距離を目安にjogをするのではなく、時間を目安に走ること。個人差があるとは思うが、僕の場合、距離を目安に走るよりも時間を目安に走った方が走行距離を稼げる。フルマラソンは走った距離がフルマラソンよりも短い距離の種目に比べて重要であると個人的には思っているので、日頃のjogの積み重ねが重要だと感じたのと、あとは1月に地道に距離を踏んできたのが非常に効果が高かった。次回のレースに向けて、この鍛錬期のjogの積み上げを意識していきたい。

2022年3月

3月は2月よりもより実践的なメニューを増やした。特に昨年から愛読しているダニエルズランニングフォーミュラのフルマラソン向けのトレーニングメニューが非常に興味深く、本格的に取り組むのは初めてであったが、練習メニューの多くに取り入れてみることにした。

前半
3.2km LT走×2(3’45、3’43、r=2’00)+1.6km LT走×1(3’42)、
3.2km jog+3.2km LT走(3’43)+40’jog+1.6km LT走×2(3’42、3’38、r=2'00)+3.2km jog、
20km走(4’00)
後半 9.6km jog+3’00インターバル×5(3’27、3’27、3’30、3’24、3’27、r=2'00)+1'00レペ×4(3'06、3'08、3'04、3'03、r=2’00)+26'jog、
150’jog(4’28)、6kmLT走(3’41)、
1.6km jog+12.8kmレースペース(3’56)+1.6km jog+9.6kmレースペース(3’56)+1.6km jog
月間走行距離 381.2km
ダニエルズランニングフォーミュラのトレーニングメニューは複雑だ(分かりづらくてすみません)。ただ、一貫して言えることは、様々なペースを織り込んだ変化走で長い時間体を動かすことが主であることと、VDOTをベースにした強度を追い過ぎないペース設定であるということだ。
前者については、どのメニューも終えるのに2時間近くかかり、とにかく距離を走らせる印象だった。様々な練習のバリュエーションがある中で僕は週2回ポイント練習をするメニューを参考に練習計画を立てたが、平日に2時間も練習時間を確保することは現実的に難しく、平日は短めのLT走やファルトレク、休日はダニエルズのメニューを参考にメニューを組み立てた。
後者については、どの指導者もそうであるのだろうけど、ダニエル氏は継続したトレーニングに重点を置いており、故障をしないよう工夫がされている。どのメニューも無謀なものはなく、少し頑張れば達成できる程度のレベル感である。決して楽なメニューではないことは申し添えるが、練習の最後に全力を出し切って終えるようなメニューは皆無だ。その事自体を否定するつもりはないが、僕ももう若くもないので、これまで以上に練習を点で捉えるのではなく、線で捉える意識をこの本から学んだ。この考え方は真面目で頑張りすぎてしまう日本人の気質(特にランナーは真面目な人が多いように感じる)に一石を投じるものであるとこの本を読んで感じた。

まとめ

些か散文になってしまったが、振り返るといろいろな練習をしてきたが、重要だったのは何か特定の練習メニューではなく、故障をしていた中でも継続して練習ができたという一言に尽きると思う。月間走行距離が350kmを越えたことは社会人になって走ることを再開してから初めてだったし、少なからずフルマラソンに向けての走力アップに貢献したと思う。一方でもう一段階上のレベルを目指すにあたっては、日頃のjogを大事にすることは前提に、継続的なLT値の向上や180’走(もしくは40km走)の実践が必要だと感じている。次回のレースは今秋を予定している。仕事の繁忙等不確定な要素も多分にあり、パーフェクトに練習メニューを組めないかもしれないが、長野マラソンに向けて実践してきた一連の練習は間違いなく次回のレースに生きてくると思うので、今回の反省を生かしてまた練習に励んでいきたい。当面は6月までトラックやロードにおける3km〜10kmといった短い距離の自己ベスト更新に向けて取り組んでいきたい。

次回は長野マラソン直前練習&テーパリング編を書きたいと思う。