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長野マラソン2022 レース前編

昨日の記事では長野マラソン2022のスタートを切るまでのことを文章にした。

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今回はレース中のことについて書いていきたいと思う。文章が些か長くなることが予想されるので前編と後編に分けることとする。

スタート〜5km

スタート時の気象状況は晴れ、気温7.0℃、湿度70.0%、風速0.0m/sと絶好のものとなった。標高が350mということもあるのかやや日差しが強く感じたが、着用する予定であったアームウォーマーはすでに不要なぐらいの気候だった。8:20に号砲が鳴り、僕はスタートラインを越えるべく逸る気持ちを抑えつつ、ゆっくりと歩を前に進めた。スタートラインまでは26秒。コースに飛び出してからは混雑からなかなかペースが上げられない。兎にも角にも他のランナーとの接触、転倒だけには注意をし、目標ペースとする4’00/kmにできるだけ後れを取らないように前へ前へと突き進んだ。入りの1kmは4‘22とかなり遅い。続く1kmは3’50と飛ばしてしまったが、2kmを過ぎた辺りから意識して呼吸とリズムを整えた。スタート前にアップをしていない影響から序盤は心拍数が高かった。ハーフ辺りまでは160bpmで行きたいと思っていたが、スタートしてほどなくして165bpmまで上がる瞬間もあり、少し不安な気持ちもあったが、体感では全く苦しくなく、またアップの影響であることは間違いなかったので、そのままのペースを維持し、それでも心拍数が下がらなかったら心拍数が適正値に下がるまでペースを下げようと決めた。

5km通過 20:19(netで19‘53)

5km〜10km

応援ナビによると、スタートライン通過が657番目で5km通過が282番目だったので、400人弱この5kmで抜いたことになる。通りで入りの1kmがストレスに感じたわけだ。5kmを過ぎて善光寺に向けて少し坂を上る。上り切ると左に折れ、次は長く緩やかな下りの中央通りに入る。僕はレース前にここを最初のポイントとして考えていて、この下り坂を飛ばし過ぎず気持ち良く下ることに徹した。「気持ち良く」という抽象的な言葉を具体的に言い表すと、序盤と善光寺までに至るまでに上った坂で上がった心拍数を適正値の160bpmまで落とすということである。意識した甲斐あって、坂を下り切る頃には体が暖まってきたことも相まって、160bpm付近で心拍数が安定するようになってきた。このポイントをスムーズに通過できたことが30kmまで余裕を持って走ることができた最も大きな要因であると思う。前日に受付をしたビッグハットの手前数100mにある10km地点に向かうまでに僕の前後にはいくつもの集団が形成された。とにかく前半は自分で集団を引っ張ることを極力避け、リズムの合うランナーを探して、とにかく背後に付いて無駄な体力を使わないことを心掛けた。幸いにも中央通りを下っている最中にちょうどいいランナー(ランパンランシャツで往年のランナーという感じ。ただ足元はVaporfly)を発見し、しばらく付いていくことにした。

10km通過 40‘14(この5km 19’55)

10km〜15km

今回のレースでは給水は全てスポーツドリンクを飲むことにした。純粋な水を飲み過ぎると体内の塩分濃度を適正に保つために体が水分を排出してしまうためだ。水分補給がかえって脱水を引き起こすということである(この症状が過剰に進むと水中毒になる)。長野マラソンでは他の多くの大会と同様にスポーツドリングのテーブルに続いて水のテーブルと並んでおり、また参加者が多いこともあってテーブルの設置数が多く、非常に給水がしやすかった。特にレース序盤においては集団の人数が多いので給水所が混雑し転倒のリスクが高いのだが、テーブルが多いことでリスクの低減が図れた。飲み物が注がれたコップの間隔も狭すぎなかった点も細かいところだが好感が持てた。

10kmを過ぎるとこれまでペースを作ってくれていた往年のランナーのペースが鈍ってきて、4‘00/kmを少し超えるようになってきたため、後ろから追いついて来た集団に付いていくことにした。だが、その集団のペースが徐々に上がり、3’56/kmほどになったので、僕と何人かが離れ小集団となった。しばらくその集団に付いていくことにした。最初のジェル補給もこのあたりを考えていたが、空腹感はなく、ジェルを取ることでむしろ腹痛や胸焼けを起こし、走りのリズムが崩れそうだと感じ、ジェル補給を遅らせた。14km手前にはゲストの高橋尚子の応援があり、手を振って応援に応えた。

15km通過 1:00:12(この5km 19:58)

15km〜ハーフ

17km地点を長野オリンピックのスピードスケート会場となったエムウェーブで迎える。エムウェーブの周囲を1周して北上してきた道を一転南下するのだが、エムウェーブでの応援する人々の数がとても多く、非常に元気をもらえた。レースを通してこの区間が一番体を楽に動かせた区間だった。天気も良く、まさに休日の昼下がりにいつもの練習コースの土手をjogしている感覚と全く一緒だった。レースにおいてはいつも苦しく感じる心拍数で走っていても楽に感じるということだ。20km手前から個人的に2つ目のポイントとして挙げた五輪大橋の上りが始まった。橋の上りがある19~20kmのラップは4‘07/kmまで落ちることになったが、この上りでこれまで一緒に走っていた集団が崩れ、単独走になった。次の集団はかなり前の方で、後ろからも新たな集団は来なかったので、上りで少し乱れた呼吸を整えながら一人で橋を渡った。ここでひとつめのジェルを2,3分かけてゆっくり取った(アスリチューンのカフェイン入り)。

橋を渡り終えて下りに入るとハーフ地点だ。スタートで出遅れたものの、その後のペース配分は事前組み立てたストーリー通り。余裕もかなりあり、今回は記録を狙えると思い始めると同時に、そう考える数多くのランナーが30kmを越えて減速していくのを嫌というほど見聞きしているので、自分自身を戒め、とにかく無駄な力を使わないことだけを考えながら、ハーフ地点を通過した。

20km通過 1:00:12(この5km 20:12)

ハーフ通過 1:24:46

単純合計でゴールタイムは2:49:32。今回のレースの最高目標である2:50:00切りを十分に狙えるペースだった。レース後編へ続く。