大迫傑選手が復帰、New York City marathonで
大迫傑選手が自身のTwitterで11/6に開催されるニューヨークシティーマラソンを走ることを宣言した。
11月6日、ニューヨークシティマラソンを走ります。
— suguru osako (大迫傑) (@sugurusako) August 9, 2022
フレッシュに、また一から何かを作り上げていく厳しさ、それ以上のワクワクを感じながら当日に向かっていきます。
I’ll be racing New York City Marathon 🏃 @nycmarathon #nycmarathon #marathon #マラソン pic.twitter.com/P8GGYIhB2q
2021年8月に開催された東京オリンピック以来のフルマラソンとなり、多くの方が待ち望んだものであると思う。日本のレースではなく、アメリカのレースを選んだことも私は彼らしいと思った。彼の言う"ノイズ"が少しでも少ないアメリカでのレースを選択したということか。ただ、レースの他の出走者を見ると、なかなかの強敵揃いであることは否めない。
https://www.nyrr.org/media-center/press-release/20220809_tcsnycmmensprofield
2時間3分台が1人、4分台が3人で5分台が大迫選手1人。彼の復帰レースが素晴らしいものになるよう、残り3ヶ月のトレーニングに励んでもらいたいものである。
8月始動
8月に入って1週間が経過した。水戸黄門漫遊マラソンに向けて、8月は気温も湿度も高く、そこまでペースは追えないとはずなので、基礎構築期間として距離を踏んで行きたいと考えている。8月1週目は7月よりも走行距離を意識したが、故障のリスクは高めたくないので、ダニエル氏が推奨する前週の10%を目安に走行距離を増やしていくという理論をある程度参考にし、体と相談しながら88kmを走った。
また、昨日は2週間半振りのポイント練習として(1分急走+1分緩走)×18のファルトレクを河川敷の芝生で行った。
15本を最低ラインとして実施したので、16本目以降はGarminのworkout機能ではなく手元での計測となってしまったが、気温が24℃と低かったこともあり、急走では3分10秒台まで上げられたし、緩走でも5分/kmペースを大幅に超えることはなかった。これまでのファルトレクの中でも最もいい感覚で走れたといってもいい。
そして、今日は早朝から100'jogを敢行。
昨夜の深酒が祟り、後半は軽い脱水状態になってしまい、フォームが崩れてしまったのは反省。ただ、穏やかな気候の中でじっくり走り込めたことは収穫である。
8月2週目は連休もあるので、さらに心筋と脚筋力を強化すべく距離を踏んでいこうと思う。
水戸黄門漫遊マラソンに向けてざっくりとしたトレーニング方針を立ててみた
8月に入り、私が出走予定の10/30に開催される水戸黄門漫遊マラソンまで3ヶ月を切った。
シンスプリントの違和感もあり、本格的なトレーニングはまさにこれから始動するところであるわけだが、過去のフルマラソンの反省を踏まえ、詳細は後日の投稿に譲るとして、レースに向けどのようなトレーニングを積むかをざっくりここに記したいと思う。
まず、前回出走した長野マラソンの反省から私のフルマラソンにおける主たる課題は月並みではあるが、30km以降の持久力である。特に30kmを通過した時に過剰にペースアップをしてしまい、35km以降に脚が止まってしまうという戦略的なミスが長野ではあったものの、純粋に長い距離に対する耐性が足りていない印象をレース中に持った。
ここでいう持久力には大きく分けて乳酸性作業閾値の向上と長い距離に耐えることのできる脚筋力の向上の2つがあると認識しているが、長野を走った感覚としては後者が不足していると感じた。フルマラソンという競技の特異性からしても脚筋力の向上、すなわち脚作りは非常に重要と考える。よって、水戸に向けたトレーニングにおいては基本となる練習は据え置きつつも、前回よりもより脚作りに重きを置いたトレーニングを積んでいこうと思っている。
そこで取り入れたいのが180分jogだ。すでにサブスリーは達成しているとはいえ、ほぼ3時間を走り通すレース本番に向けて、ペースに関わらず長い時間体を動かすことは肉体的にも、そして精神的にも重要だと考える。長野に向けてはポイント練習に加え、120分jogを3,4回程度、150分jogと165分jogを各1回ずつ実施したので、120分jogを基本としつつ180分jogを2回程度入れていきたい。
また、水戸3週間前の10/8に東京30Kが開催される。
退屈な30km走をレースの場で行えることはありがたい。参加費が7,000円と高いのが玉に瑕だが。暑さが好きではない私にとって、夏の期間にフルマラソンのトレーニングを積むことは気乗りがしないことなので、どこまで身を入れてトレーニングを積んでいけるかは些か不安であるが、もう少し具体的なトレーニングメニューを立てて、地道に取り組んでいけたらと思う。今回のターゲットタイムは2時間50分切りだ。
内田治療院リターンズ
5月終わりぐらいから7月の3連休に行われたM×Kディスタンス5000mに向けて、徐々に閾値やVO2maxを鍛えるトレーニングを増やした結果、左足にシンスプリントを、右足の甲にも嫌な痛みを抱えるに至ってしまった。5000mのレース自体は無事走り終えたわけだが、それから1週間半は練習強度を落としてjogのみに努め、脚を癒やすことに時間を費やした。しかし、痛みは快方に向かうことはなく、現状維持という状態が続いた。そのため、長野マラソン前にも半腱様筋の肉離れでお世話になった十条にある内田治療院の門を叩いた。
ここの鍼治療はネットで検索すると分かると思うが激痛で有名であり、年初に初めて訪れた際は無知であったが故に比較的気軽に施術に臨めたわけだが、今回は正直に言うと少し手の平に汗を滲ませ、入口のドアを開けた。あの痛みが蘇る。
前述した通り、今回は左のシンスプリントと右足の甲、そして左の腓骨筋にも違和感があったため、合計3箇所を鍼で施術してもらった。記録のために治療後の脚の様子を写真に収めた。私の体毛を全面に押し出した見苦しい写真が続くが、興味がある方はご覧いただければと思う。
まずは左のシンスプリント。メインで痛む場所は内果付近のため後脛骨筋をメインに施術をしてもらった。後脛骨筋は足首の底屈と内転を主に司る筋肉である。後脛骨筋のオーバーユースからくる痛みは現役時代にも悩まされたため、そういった癖を僕自身が持っているのであろう。今回はスピードを上げた練習を始めた途端に痛みを伴ってきたので、明らかに足首を多用した蹴る走りをしていたのだろう。赤い点々がついている部分が鍼を打ち込まれた場所である。痛々しい。
脛骨に沿って打ち込まれていることが分かる。こうやってみるとどのポイント打ち込んだのかが分かって帰宅してから観察することができ2度楽しい。痛いけど。
お次は右足の甲に関連する部分。前脛骨筋に張りがかなりあるとのことだったので、そこから足の甲にかけてこれまたたくさん打ち込んでもらう。
足の甲にも鍼って打てるんだ〜、と妙に感心。
最後は左の腓骨筋。脛の外側の筋肉である。こちらも腓骨に沿ってブスブスと。
小一時間、たっぷり鍼を打たれ、苦痛に呻いて7000円也。例のごとく脚を引きずりながら帰宅した。施術の翌日はランオフにして、そのさらに翌日に75分ほど柔らかな芝生の上をjogした。当然痛みが一気に消え去ってしまうということはないのだが、これまで感じていた嫌な違和感はなくなり、暑さと湿度を抜きにすれば快適に走ることができた。そしてこの記事を書いている今日は施術後3日後であるが経過は良好である。もうしばらくjogで様子を見れば秋のフルマラソンに向けて本格的な練習を再開することができる気がしてきた。
内田治療院、恐るべし。
ただ、賛否の意見もあると聞く。そこはランナー諸君の自己判断としてもらいたい。
半裸jog
M×Kディスタンスを終えて、しばらくjogだけの日々が続いている。シンスプリントが痛いのだ。
河川敷の芝生でのjogであれば痛みの悪化は見られないのだが、コンクリートでは衝撃が強すぎて、走り終えた直後のシンスプの痛みが明らかに芝生のそれと違う。ということで、ここのところは早朝に河川敷の芝生の上を走ることが多い(夜だと暗くて走れない)わけだが、この時期は早朝でも気温が30℃近くあったりする。そんな時、皆さんだったら上半身のランシャツなりTシャツを脱ぎ捨て、半裸でハシリマスカ?僕はほぼ100%半裸でハシリマス。だって何か着ているの、暑いもん。
半裸jogを始めた5〜6年前までは人目を(少し)気にはしていたが、今では半裸jogの中級者ぐらいの域に達したのか、河川敷に到着するやいなやランシャツを華麗に脱ぎ捨て、人目も憚らなくなってしまった。さらには河川敷にとどまらず、土手の上まで半裸jogの距離を伸ばしつつある(流石に堤防を越えて街中に入る時にはランシャツを着ている)。ちなみに上裸と言う人もいるけど、辞書には載っていないので正しくは半裸ね。
半裸jogは法で禁止されているわけではないので、モラルやマナーの話になると思う。それ故、賛否が当然あって答えはあってないようなものだとは思っているわけだが、本件、ネットで調べるとブログで書いているランナーとかもいておもしろい。「ランニング」「半裸」で調べると4M件弱ヒット(yahoo知恵袋とか読み尽くしちゃった)。
日本のトップランナーも当然のことのように脱ぎ出す(動画3分過ぎあたりから)
この行為、みなさんはどのようにお考えですか?
僕は一度やったらランシャツが着れなくなってしまい、当然日中の河川敷限定だけど、夏の間は半裸jog(場合によっては半裸ポイント練)を堪能する所存である。
為末の銅メダル
YouTubeというサービスに時間を奪われるようになって久しい。何が僕を虜にさせるのかというと、テレビという媒体ではなかなか振り返ることができなかった過去の記憶を呼び覚ませる動画に手軽にしかも無料でアクセスできることだ。世界陸上オレゴン大会が本日幕を閉じたが、そのせいなのか分からないが、YouTubeは2005年ヘルシンキ世界陸上の400mハードルで銅メダルを獲得した為末大選手の映像を提案してきた。
当時陸上競技の世界から離れていた僕は、このレースを地元の友人とテレビで観戦した(たしか真夜中だった)。2001年のエドモントン大会でも為末選手は同種目で銅メダルを獲得していた。その時は高校の夏合宿の最中にチームメイトとみんなでレースを観戦し、銅メダルに沸き、翌日の厳しい練習の糧にしていたわけだが、その時に比べて2005年の僕は勉強もろくにせず、バイト三昧の不規則な生活を送っていたので、だいぶ落ちぶれたものだと思ったものだった。
動画後半の為末選手のインタビューにもある通り、1度目の銅メダルを獲得したエドモントン大会からの4年間は所属していた大阪ガスを退社し、父親を亡くし、また思うような結果が残せず、苦しい思いをしていたわけだが、そんなこれまでの思いをヘルシンキの400m、たった48秒に込められていることが走りから感じられ、胸に来るものを抑えることなしに観ることはできない。彼の走りを見るとつくづくathleteというものはartistであると感じる。どのスポートにおいても。理屈ではなく、心を揺さぶる何かがある。月並みの表現ではあるが。
ちなみに以下は2002年エドモントン大会の為末選手。同じ銅メダルではあっても、レース後のコメントがエドモントン大会のそれと異なり興味深い。
日本のマラソンはなぜダメになったのか 折山淑美
先日たまたま発見したので読んでみた。
この本は男子マラソン界のレジェンドと言われる宗茂、瀬古利彦、中山竹通、児玉泰介、犬伏孝行、藤田敦史、高岡寿成の7人が出版当時の男子マラソン界に対する苦言を呈し、どのように強化を進めれば世界と伍していけるのかを語ったものである。この本が出版されたのが2016年11月、まさにリオデジャネイロ五輪直後のことであり、佐々木悟選手の16位が男子フルマラソンにおける日本人トップだった時のことだ。この本の中でそれぞれのレジェンド達が好き勝手に意見しているわけだが、その中でも個人的に印象に残ったのが藤田敦史の言葉だ。
「練習に合わせて練習をやっていてはダメ。試合に合わせて練習をしていくことが大事。」
具体的な内容を要約すると、以下の通り2点となる。
- 最近の選手は引き算の練習をしている。つまり、次の日にキツイ練習(ポイント練習)があると前の日のトレーニング負荷を下げてしまう。前の日に長い距離を走等などして体を重くして次の日を迎えることができたら、そのポイント練習は負荷が高く、自身がより強くすることができるメニューになる。つまり、足し算の練習が必要。
- 足し算の練習は自身を強くするとともに、ピークを試合に合わせやすくすることにもつながる。ピークは長く持たないし、ピークが来てしまうと意図的に落とすことは難しい。したがって、練習にピークが来ないようにすることが重要。
至極真っ当な意見であるし、一国のトップを争う、しかも伝統的にマラソンが強い日本という国のアスリートができていないとは考えづらいことだと思った。漸進性の原則(トレーニング負荷を少しずつ高めていくことで少しずつ自身の能力も開発されていくこと)を重視することと、手段を目的化しないこと、と私は理解したが、この考え方は私自身のトレーニングにおいても今までよりも意識しなければと思った。
どうしてもポイント練習の前日はjogの時間を短くしたくなる衝動に駆られるが、ポイント練習をこなせるか否かに焦点を当てるのではなく、トレーニングを大局的かつ長期的に見ていかなければならないと思う。ポイント練習ごとに調子を合わせようとすると、調子の波の高さは低く、波の幅も狭くなる。そのようなトレーニングを積み重ねていくとレース当日、波の高さは高くなり切らず、また波の幅も狭いものだから調子のピークを合わせることが難しくなるのではないかと思う。一方でトレーニングメニューごとに調子の波を極力変動させず、レース前に調整をすると、調子の波がずっと低かった分、またトレーニング負荷が前者の考え方よりも高かった分、調子の波の高さは高くなるだろうし、調子の波の幅も前者の考え方より広く、レース当日に合わせやすいと思う。私の過去の経験からしてもこの考え方は正しいように思う。
市民ランナーとしては仕事やプライベートもあり、走ることにそこまでコミットすることが難しい状況にある人も多いかと思うが、この考え方を頭に入れておくだけでもトレーニングへの向き合い方が変わると思う。また、この考え方はマラソンだけではなく、何事にも適用できる考え方だと思う(仕事でも気付くと手段が目的化していることってありますよね)。そんな戒めも含め、タメになる一冊であった。