One day at a time

毎日を、着実に

為末の銅メダル

YouTubeというサービスに時間を奪われるようになって久しい。何が僕を虜にさせるのかというと、テレビという媒体ではなかなか振り返ることができなかった過去の記憶を呼び覚ませる動画に手軽にしかも無料でアクセスできることだ。世界陸上オレゴン大会が本日幕を閉じたが、そのせいなのか分からないが、YouTubeは2005年ヘルシンキ世界陸上の400mハードルで銅メダルを獲得した為末大選手の映像を提案してきた。

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当時陸上競技の世界から離れていた僕は、このレースを地元の友人とテレビで観戦した(たしか真夜中だった)。2001年のエドモントン大会でも為末選手は同種目で銅メダルを獲得していた。その時は高校の夏合宿の最中にチームメイトとみんなでレースを観戦し、銅メダルに沸き、翌日の厳しい練習の糧にしていたわけだが、その時に比べて2005年の僕は勉強もろくにせず、バイト三昧の不規則な生活を送っていたので、だいぶ落ちぶれたものだと思ったものだった。

動画後半の為末選手のインタビューにもある通り、1度目の銅メダルを獲得したエドモントン大会からの4年間は所属していた大阪ガスを退社し、父親を亡くし、また思うような結果が残せず、苦しい思いをしていたわけだが、そんなこれまでの思いをヘルシンキの400m、たった48秒に込められていることが走りから感じられ、胸に来るものを抑えることなしに観ることはできない。彼の走りを見るとつくづくathleteというものはartistであると感じる。どのスポートにおいても。理屈ではなく、心を揺さぶる何かがある。月並みの表現ではあるが。

ちなみに以下は2002年エドモントン大会の為末選手。同じ銅メダルではあっても、レース後のコメントがエドモントン大会のそれと異なり興味深い。

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