2022年日本選手権を観戦して(男子5000m)
6月9日〜12日に大阪にて陸上日本選手権が行われた。
今年は7月にアメリカ・オレゴンで世界選手権が行われることもあり、代表選考会も兼ねた大会だったため、非常に白熱した戦いを目の当たりにした。短距離種目も盛り上がりを見せたが、当ブログではやはり長距離種目を取り上げたい。
まずは初日に行われた男子5000mにおいて、すでに標準記録を破っていた住友電工の遠藤日向選手が優勝。世界陸上出場を決めた。
6/9/2022
— HYUGA ENDO (@e_01h48) June 9, 2022
日本選手権 5000m
13'22"13 1st
思うことはたくさんありますが、まずはようやく世界のスタートラインに立つ権利を得ることができてホッとしています。
決勝進出を目標に残り約40日間しっかり準備します。
たくさんの応援ありがとうございました!
📸: @ekiden_news #日本選手権 #5000m pic.twitter.com/29Zd0YStxe
レース展開としては中盤まで非常に落ち着いたもので、ラスト2周でスパートし、他の選手を寄せ付けない圧倒的な力を見せ付けたように感じた。遠藤選手は標準記録を切ったゴールデンゲームスin延岡(GG延岡)でも外国人選手をラスト400m56秒で圧倒し、これまでの練習の成果を見せ付けたものだった。
今回の日本選手権とGG延岡の両レースを見ていて思ったのは、遠藤選手の持つトラック種目への並々ならぬ思いだった。仮に彼が箱根駅伝を最大目標とする関東の大学に進学していたならば、よほど大学側に理解がない限り、このタイミングで5000mで世界選手権に出場することはできなかったのではないかと思う。なぜならば、関東の大学に進学したならば、20kmを超える箱根駅伝で戦えるトレーニングに重きを置くことを余儀なくされ、年間を通してスピードやスピード持久力に特化したトレーニングにフォーカスすることが難しいからだ。箱根駅伝というビッグコンテンツがあるからこそ日本の陸上長距離界の底上げにつながっているのも事実だし、それを否定する気は毛頭ないが、遠藤選手の育成方法に今後の若手を育てるひとつのモデルケースとして光を当ててほしいと切に願う。
話は逸れるが、YouTubeで遠藤選手がトレーニングに使用するスパイクに迷うシーンをいつも視聴しているSweat Eliteのチャンネルで発見した(2’45あたり)。流しのフォームが惚れ惚れするほどきれい。。。
最終的に彼はAir Zoom Victoryを選択する。Victoryを先日店舗で触れてみたが、なんとまあ前足部の硬いこと。僕が履いたら1000mも持たないだろう。こんなスパイクを履きこなしているのだから、その時点でもう僕の想像の及ぶところではないと思ったものだった。
オレゴン世界選手権の男子5000m予選は7/22(金)。遠藤選手には過去に大迫選手も成し遂げられなかった5000mで予選通過することに大いに期待したい。