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Product review_Altra Escalante Racer BOSTON 2020

下駄を履かせてくれないシューズ from USA.

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昨夏から多くの時期を故障で過ごした。故障のリスクを下げるために何かできないか。ランニングに纏わるあらゆることを調べている中で、ランニングシューズで気になるものを見つけた。それがAltraのEscalante racerだった。

 

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前々から存在自体は知っていたし、ランニングショップで試着をして走ったこともあったのだが、これから説明するAltra特有のシューズ機能にあまり興味が湧かず、ごく普通のランニングシューズが履ければいいとシューズ選考から除いていた。ただ、故障が長引く中で、検討の俎上に上がった。

 

 

1.ALTRAとは

まず、ALTRAが何を理念とし、どういったプロダクトを世に出しているかということはHPを見ていただければお分かりいただけると思う。

altrafootwear.jp

 

簡単に言うと、クッションのある立派なランニングシューズを履いているのに、怪我している人が多くない?人間が備える体の機能を使ってする「走る」という動作が、ランニングシューズによってむしろ阻害されているからでは?という仮説に基づき、人間の自然な動きを妨げないシューズを、というコンセプトを持つブランドである。

したがって、ALTRAのシューズは人間の足部と同様に、ゼロドロップ(前足部と踵部の落差がない)であり、かつトゥーボックス(足先が収まる靴の先端部分)が広めに作られ、足趾の動きを妨げない作りとなっている。

その中でも、私はソール厚が22mmと薄めのEscalante racerを選択、モデルは星条旗のデザインがクールな2020ボストンマラソンモデルだ。

 

2.特徴

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前述したとおり、トゥーボックスは広く、履き心地が非常にいい。アッパーはしっかりとしたどちらかというとかっちりした作りで、かつ通気性が良い。ただ、通気性がかなりいいので、冬のランニングはつま先が冷える。

 

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ヒールカウンターは柔らかい作り。余計な補強がされていない印象。適度な安定感がある。

 

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ドロップはご覧の通りゼロ。靴による助力は得られず、体をうまく使わないと前に進まない。この靴に脚を入れてはじめに驚いたことは、片足立ちした時の安定感。ドロップがないことにより、立位を自然にキープでき、足裏全体で体重を支えることができるからだと思う。その上、前述した通りトゥーボックスが広く、足趾を全て使えることも大きいと思う。ランニングは言ってしまえば、片足立ちの連続動作なので、片足立ちの安定感があるということは、地面をしっかり捉えられるし、脚や股関節、腰等の歪みが生じずらく、故障予防にもなると思われる。

ミッドソールはAltra EGOというテクノロジーが採用されており、硬すぎず柔らかすぎないフィーリングであることを付け加えておく。

 

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靴紐とシュータンはこんな感じ。シュータンも薄めで必要最低限の作りという感じ。このボストンモデルのシュータンにはシューレースを通すループ状のものは付いていない。※現行モデルは付いています。

 

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アウトソールは足型のようなデザイン。ミッドソールの薄さも相まって足裏感覚がある。

 

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重さは26.5cmで207g。軽い。ノーストレス。

 

3.まとめ

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この靴を購入したことで走り方を見直す良いきっかけになった。

雑に走るとミッドソールの薄さ故に脚にダメージ(特に脹脛が張る)が来るし、何より前に進まない。どうすれば効率良く前に体を進めることができるだろうと自問自答しながら走ることができるシューズだ。

残念ながら、このシューズを履いてレースでタイムを狙うことはカーボンシューズと比べて難しいかもしれない(もちろんこのシューズで自己ベストを出しているランナーも多くいるが)。ただ、果たしていつもカーボンシューズを履いてタイムを追うことが、長期的視点に立ってタイム短縮に繋がっていくかというとそうではないと私は思う。

当面はこのシューズをランニングシューズのラインナップに加えて、走りの変化を見ていきたい。決して短期的に変化するものではないし、他にも様々な要素があると思うが。

価格は18,150円(税込)で決して安い部類には入らないが、それだけの価値はあると思っている。私は早くも2足目の購入を検討している。