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故障明けのトレーニング、どうしたらいい?ーダニエルズランニングフォーミュラの観点から

前回の投稿では、アキレス腱炎と腓骨筋腱炎の故障が癒え、約2ヶ月振りにランを再開することができるようになる予定だが、どのように故障明けのトレーニングプランを立てて行くべきか迷っている旨を記載した。

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そこで、様々なランニングのトレーニングに関する本が出版されている中で、私の愛読書の1つであるダニエルズランニングフォーミュラから故障明けのトレーニングプランを立案する上で注意すべきことを今回の投稿で記載していきたいと思う。

 

トレーニングプランを立てる上で考えるべきポイントは、下記になると考えている。

1.トレーニング強度(故障期間にどの程度体力が衰えているか?)

2.トレーニングボリューム(故障明けは何km走れば良いのか?)

3.トレーニング期間(通常のトレーニング負荷をかけ始めるにはどのぐらいの期間が必要か?)

 

これらに沿って、今回は記載していきたい。

 

なお、私が購入した本は英語版のため、日本語版の表現と異なる部分があるかもしれないがご了承いただきたい。また、本の内容をそのまま記載することは著作権侵害に当たるため、必要な部分を抜粋して記載したい。詳細の内容を確認したい場合は上記リンクより本をご購入願いたい。

 

 

1.故障期間にどの程度体力が衰えているか?

まずは故障期間にどの程度体力が衰えているか?という観点だが、ダニエルズ氏はVDOTという単位で説明をしている。VDOTというのは最大酸素摂取量(VO2max)をベースにした走力のインデックス値のことである。VO2maxは1分間に体重1kg当たり何mlの酸素を摂取できるかを数値化したものなので、簡単に言えばどれだけ酸素を体の中に取り込めるの?ということである。最大酸素摂取量と長距離種目における走力は正相関しているという前提で、VDOTが高ければ高いほど長距離種目における走力が高いと言える。

当然、故障期間は走ることができないため、VDOTが下がる(=走力が下がる)ことになるので、故障明けに走るペースは当然故障前のそれより遅くなっていると考える。

ダニエルズ氏は多くのランナーをサンプルとした研究結果より、故障期間(厳密にはランニングを休んでいる期間)からVDOTの減少具合を推測することに成功している。

減少具合は大きく、何もせず休んでいた場合とクロストレーニング(自転車や水泳など)に熱心に取り組んでいた場合とに分けることができる。私の場合、熱心にとは言えないが、自転車をメインとしたクロストレーニングを日々の生活に取り入れていたので、前者と後者の中間値で今回は判断したいと思う。

その結果、2ヶ月(8週)休んでいた場合の私のVDOTは故障前の88.5%ということになる。故障直前のVDOTが62.4だったため、現状のVDOTは55.2であると推定される。

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VDOT55.2をタイムに落とし込むと以下のようになる。まずはレースペースの推定値。

 

次にトレーニングに使用する設定タイム。

走れていた頃の私の感覚からするとかなりショッキングな数字である。でもこれが現実だ。トレーニングについては、jogは4:44−5:13/km、閾値走は3:56/kmで行うことになる。

 

2.故障明けは何km走れば良いのか?

では、故障明けは一体何km走ればいいのだろうか?これはどのぐらいの期間故障で休んでいたのか、故障前にどの程度の距離を走っていたのかを基準にして決めることになる。

前述した通り、私のランオフ期間は8週間である。また、故障前に大体75〜100km/週程度走っていた。ダニエルズ氏の研究によると、故障明けの走行距離は故障前のそれの33%を上限とするよう記載がある。

したがって、私の場合は25〜33km/週ということになる。100kmは走り込み期の距離のため、25km/週程度が妥当なところだろうか。非常に短い距離だが、ダニエルズ氏の基本方針として「トレーニングの継続性」を重んじるため、故障の再発に用心するに越したことはないということであろう。

 

3.通常のトレーニング負荷をかけ始めるにはどのぐらいの期間が必要か?

では一体いつになれば故障前のトレーニング強度に戻すことができるのか?という点であるが、これも故障期間に応じて決定することになる。基本的には故障期間と同等の期間をリハビリ期間と捉えることになる。

故障期間が1ヶ月(4週)までの場合はタームを2つに分け、2週間を故障前の50%の走行距離をEペース(Easyペース、jogの意)で、残りの2週間を故障前の75%の走行距離をEペースで走ることを推奨している。また、任意で100m程度の流しを含めることも推奨している。

1ヶ月以上の故障期間の場合は、タームを3つに区切り、故障期間の1/3ずつ33%、50%、75%と走行距離を増やしていくことを推奨している。

したがって、私の場合は以下の通りとなる。※故障前75km/週換算

故障明け18日目まで=33%=25km

故障明け19日目〜38日目まで=50%=38km

故障明け39日目〜56日目まで=75%=56km

 

4.まとめ

今回の記事を書いてみて、改めてダニエルズ氏の理論は定量的であり、コーチのいない我々市民ランナーにとって、明確なトレーニングの指標を提示してくれる優れた理論であることを感じた。

一方で、全てのランナーに対してこれまで書いてきた理論が通用するかというとそうではないと感じてもいる。

既定の距離で痛みがぶり返すランナーもいると思うし、その逆も然りである。実際、私のランナー仲間は既定の距離を超えて走っても痛みがぶり返さず、故障をしてから1年以上順調にトレーニングを積んでいる。

ダニエルズ氏の理論通りのプランに従うか否かは、当然であるが各ランナーに委ねられていることである。何事においても自分の頭で考え、理論と同様に自分の感覚も重視して、物事を判断する必要があると思う。

私においても、ダニエルズ氏の理論を前提としつつも、体の感覚を大事にしてトレーニングプランを微調整していきたいと思う。