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2022/01/29 ”Parasite 半地下の家族”を観て

 普段頻繁に映画を観ない僕だが、土日に時間を作って"パラサイト半地下の家族"を観てみた。

 

 

 韓国映画(というかエンタメ全般)には本当に疎くて、韓国映画は学生の時に観た"ブラザーフット"振りだったと思う(そして、あまりおもしろくなかったことも記憶している)。この"パラサイト半地下の家族"は最初から最後までどんどん展開にのめり込むぐらいおもしろかった。

 この映画は韓国に住む貧しい4人家族がひょんなきっかけから大富豪の家族に"寄生"することで話が展開されていく。大富豪の家族に対し、主人公とその妹は家庭教師を、主人公の父親は社長専属運転手を、主人公の母親は家政婦をすることになり、大富豪家族から収入を得ることで少しずつ生活が豊かになっていくが、大富豪家族の住居にある秘密に気付き、ショッキングなラストを迎える。すでに観られた方は様々な感想をお持ちかと思うが、私がこの映画から一番に感じたことは貧困層が感じる虚しさだ。

 私はあまり韓国社会について詳しいわけではないが、韓国は学歴偏重社会であることはよく耳にする。受験に成功した人達とそうでない人達の生涯年収の差はどうしても開いてしまうだろうし、就職後その差を縮めることはなかなか難しいのだと思う。主人公家族は映画を観ている限り、めちゃくちゃ頭がいい訳ではないが、大富豪家族をうまい具合に騙し生きていく知恵というものには長けているように感じた。それでもなお、彼らは金持ちに寄生していく他生きていく道はなかったし、主人公の父親のように表向きは明るく振る舞ってはいても、心のどこかではどうしても詰めることのできない富裕家族との差を感じていたのだと思う。それを主人公の父親の体からどうしても発せられてしまう"臭い"が表していたのだと思った。この作品を作った監督は韓国に限らず、資本主義社会に広がる貧富の差に警鐘を鳴らしているのだと思う。結局、この物語は"寄生"することで主人公家族が豊かになってはいくが、最終的にはストーリのはじめよりも不幸になり幕を閉じる。貧しい者は貧しいままで這い上がることができないと視聴者に伝えているかのように。

 その他にも細々とした描写に様々なメッセージが含まれていて、よくできた映画だなと感心した。かなりおすすめの映画だと思う。冒頭でも書いたが、本当にストーリーから目が離せず、久々に面白い映画を観たなという印象だ。この映画がたまたま面白かっただけかもしれないが、他の韓国映画ないしドラマはどうなんだろうか?結構ハマっている人が多いので、きっとストーリーに没頭してしまう作品が多いとも勝手に想像している。この映画を機に他の韓国作品も少しチェックしてみようと思う。